ボクシングの日本スーパーウエルター級王者井上岳志(27=ワールド)が、ステップアップを期した2冠戦に挑む。

 10日に東京・後楽園ホールで、東洋太平洋同級王者ラーチャシー・シットサイトーン(32=タイ)と、同王座とWBOアジアパシフィック王座決定12回戦を争う。9日には都内で前日計量があり、井上がリミットの69・8キロ、王者が69・2キロでパスした。

 井上は32歳までに世界挑戦のプランを描いている。「アジアをとってこそ上に行ける。上に進むために絶対落とせない。ベルトも2本を目にしてほしくなった」と笑みを見せた。相手はリミットを600グラムも下回り、元々は下のウエルター級と体格差がある。「体のハンディがあるのに、日本人2人にも勝っている。すごい」と警戒を緩めていない。

 今回は初めて12回スパーリングもこなすなど、準備も調整も順調だった。「体格以外にもいい距離で引き出しを見せたい。左ボディー、コンビネーションやトリッキーな動きも」と意欲満々だった。