駿河ボクシングジム(焼津市)の近藤佐知子(32=日本フライ級4位)が、元東洋太平洋スーパーバンタム級王者で愛知・緑ジムの高野人母美(ともみ、32)に判定(0-3)で敗れた。

試合後、ラウンド間にも見せていた笑顔が消えていく。「自分の力不足。やりたいことが『10』あったとしたら、『4』しか出せなかった。勝てなかったことは申し訳ない」。悔し涙があふれた。

身長165センチの近藤に対して、モデル経験もある高野は177センチ。圧倒的なリーチの差に苦しんだ。「手応えのあるパンチはなかった…」。開始直後から積極的に相手の懐に飛び込んだが、有効打は少ない。逆に、前に出るタイミングでパンチを合わされた。

焼津市で生まれ、小学校教諭として働きながら、世界チャンピオンを目指している。戦績は、17年のプロデビューから2勝5敗2分けとなった。「相手はリーチも長いし、元チャンピオン。今までで一番怖かった。それでも、諦めずに立ち向かえたことは良かった」と、収穫も口にした。

この日、会場には教え子の姿もあった。最後は「もっと上にいけるように、この経験を絶対に次につなげる」と、前を向いた。“先生ボクサー”として、まだまだ戦う背中を見せる。【前田和哉】