WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級井上尚弥(29=大橋)が史上9人目の4団体王座統一に成功した。
WBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒、KO勝ち。世界ベルト4本をまとめる日本初、アジア初、バンタム級初の快挙を成し遂げた。試合後の記者会見では、途中に見せたノーガード戦法について「何しに日本に来てるんだ、と。そういった思いも含まれている」と話した。井上の試合後の主な一問一答は次の通り。
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-試合を終えて
「久々の11ラウンド疲れました。でも、ここにベルトが4本並んでいて気持ちがいい」
-相手の印象
「戦い方自体は予想通り。非常にタフでした。想像以上に。表情も変えることなくて、その辺の心理戦については長引く原因になった。その中でやりたいボクシングはできた」
-ポイント
「左のジャブ。戦う前からこれだけで絶対に勝つと練習してきたので、ここが勝敗のキーになった」
-今後
「バンタム4団体統一ということを成し遂げたので、この階級でやり残したことはない。1回休んで、今後どうしていくのか父と会長と話し合って決めていきたい」
-これまでで最強の敵は
「戦う中で効かされたのが、ドネア1戦目になる。どの選手が強かったというか、あの試合が一番苦しんだ」
-判定決着はちらついたか
「この戦いに向けて必ずKOで勝つと準備してきたので、判定だったらやりきれない気持ちだったと思う。ギアを上げて倒しきれたので収穫のあった試合だった」
-5回からペースダウン
「アクシデントはない。バトラーがしっかりと対策をしてきているという風に思ったので。前半しのいで後半勝負だと分かっていたんですけど、思った以上にしっかりと対策してきていると。そこから戦い方を替えて、ペースダウンしたり誘いに行ったり、ゲームの中で決めていった」
-新しい景色
「ここがゴールではない。最高の景色を見せてもらったが、自分としてはまだまだ通過点。満足はしていないですけど、次に向けて切り替えていきたいという思いもあります」
-挑発する場面も
「(バトラーに対して)倒されなければいいのかと自分の中でも思った。何しに日本に来てるんだと。そういった思いも含まれている。いら立ってはいないけど、本当に勝つ気があるのか、と。あまりにも手を出してこない。それはどうなんだと。それが、ああいう形での挑発になった」