愛の力で逆境を乗り越える。大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)が10日、婚約者の石田祐未さん(28)と結婚した。

 5度目のかど番となる12日初日の名古屋場所(愛知県体育館)へ、最愛の伴侶を得て気力は充実。08年夏場所の琴欧洲以来のかど番優勝を目指す。

 宿舎の愛知・一宮市で稽古を終えた琴奨菊は、幸せそうに笑みを浮かべた。「夕方に結納をして、愛知県内の役所に婚姻届を出します」。新婦の父晃さんが海外出張の仕事で忙しいこともあり、これまで両家そろう日の調整が難しかったが、大安のこの日、13年名古屋場所後に出会って愛を深めてきた祐未さんと、ついにゴールイン。「身を固めたんで。しっかり相撲に集中して、やるべきことをやっていきたい」。秋には挙式披露宴も予定する新郎大関は、決意を口にした。

 玄米や五穀米を炊いて体に気を使ってくれる新妻に、琴奨菊は「いろいろ手料理してくれるので、本当にありがたい」と感謝する。両膝に古傷を抱えながら、稽古はほぼ順調にこなしてきた。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)も「大丈夫でしょう」とうなずく。昨年名古屋では12勝して千秋楽まで優勝を争ったが、今年の狙いは新婚V。かど番からのV字回復へ「頑張ります」と力を込めた。