大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で、新十両昇進が決まった朝弁慶(26=高砂)が30日、東京都墨田区内の高砂部屋で、師匠の高砂親方(59=元大関朝潮)とともに、記者会見した。

 「気は優しくて力持ち」という、お相撲さんを地でいくような190センチ、185キロの巨体に、優しそうな目を一直線にさせながら、終始、笑みを浮かべての会見だった。神奈川県からは、やはり高砂部屋の朝乃翔(93年春、当時朝相洋)以来22年ぶり、同県平塚市からとなると、約200年ぶりになるという関取の誕生。「みんな首を長~くして待ってくれてたと思います。すごいうれしいっす。実感がわかず、緊張がすごいっす」と話す一方、正直な性格そのままに、朗報については「まだ(誰からも)聞いてません。(昇進は)たぶん大丈夫だと思います」と言って笑わせ、慌てて高砂親方が「電話あったよ」と助け舟を出す一幕もあった。

 中学まではスポーツ歴がなく、神奈川・五領ケ台高(09年から神田高と併合され平塚湘風高に再編)時代は柔道部に所属。千葉県内の大学進学が決まっていたが、湘南高砂部屋後援会の関係者に誘われ断ったが、高砂親方の「柔道では飯を食えない。相撲で稼いで親孝行しさない」と説得され入門。8年あまりかかったが、念願の関取の座を手にした。