大関経験者で西幕下14枚目の朝乃山(31=高砂)が、今場所初の連勝で3勝1敗とし、勝ち越しに王手をかけた。

38歳の幕内経験者、東幕下17枚目の北はり磨と、新十両だった17年春場所以来、8年ぶりに対戦。1度、立ち合いが合わずに突っかけられたが、2度目で立つと、じりじりと圧力をかけた。右を差し、左上手を引く万全の体勢から、一方的に寄り切った。「迷わずに、いつも通りにいこうと思っていた。自分の手つき不十分で、立ち合いが1度、合わなかったけど、何をしてくるか分からない人。相手を見て、土俵際も腰を割って取れた」と、完勝の一番を振り返った。

相撲を取ったのは8年ぶりだったが、3月の春場所前に、北はり磨が高砂部屋に出稽古に来ていた。「自分は膝の調子が良くなくて、その日は相撲を取らなかったけど、稽古は見ていた」と、対戦に際してのイメージはできていた。相手は02年春場所の初土俵から、23年以上経過した今も、関取復帰をうかがっており、朝乃山も「自分だけじゃなくて、みんなが手本とする方」と、敬意を表し、再び対戦できたことを喜んだ。

今場所は、4日目の二番相撲で東誠竜に敗れ、今場所後の十両再昇進の可能性は消滅した。その取組後、1度は取材を断って支度部屋に直行。着替えて帰り際に、取材に応じていた。その日の自身と同様に、30歳の幕内経験者で人気者の炎鵬が、今場所後の十両再昇進が消滅した初黒星を喫した際の記事をインターネットで読んだ。「取組後にすぐに取材に応じて『負けたことには原因がある』と話していたと読んだ。負けた後に、すぐに取材を受けたことも、そう言えることも『すごいな』と思った」と、年下ながら感心したという。

自身は、東誠竜に敗れたショックが翌日以降も尾を引いたという。だが、炎鵬と同様に「負けたことには原因があると思って、切り替えた。(次は)勝ち越しがかかっているとか考えず、あと3番、1つずつ全力で臨みたい」と、前を向いた。来場所後の関取復帰に向けて、1つでも多く白星を積み重ねることを、再確認していた。【高田文太】

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