沖縄本島に行くたびにここ十数年、ほぼ毎回突撃するのが、北部の本部(もとぶ)半島・渡久地港から高速船に乗り、15分で着く離島「水納島(みんなじま)」である。

人口40人前後、周囲約4.6キロの小さな島で、パン「クロワッサン」のような形に見えることから「クロワッサンアイランド」とも呼ばれるが、本島から短時間で行け、気軽に日帰りできる離島にもかかわらず、海の透明度が驚異的で、「水納島ブルー」とも言われる美しさが尋常ではないからだ。

温泉行脚を長年のライフワークとしている筆者の場合、「そこに入りたくなる魅力的な湯(海)があり、入ることが可能なら何はともあれ漬かってみる(泳いでみる)」という主義のため、かつて同島「水納ビーチ」の海に“初入浴”した時、群馬・万座温泉「日進舘」が誇る別世界レベルの露天風呂「極楽湯」に漬かった時とほぼ同等の興奮が身を包んだことが大脳に明確に刻まれたこともあり、それ以来毎回、水納島を訪れているというわけだ。

台風の影響がまだなかった何日か前にも、上陸。泉質「ナトリウム-塩化物強塩泉」の“超巨大温泉”に入るノリで水納ビーチの海に漬かってひと泳ぎし、安定の「水納島ブルー」と、その変わらぬ透明度を確認し、勝手に安心したばかりだ。

そしてこの「水納島ブルー」をどこまで明確に表現できるか、スマホで海を撮影してみた。もちろん、高級カメラには及ばないが、まあまあきれいな写真が何枚か撮れたような気がする。

筆者のようなひねくれ者でも「うーむ」とうなるしかない圧巻の「水納島ブルー」。しつこいようだがこれがスマホ撮影の限界だ
筆者のようなひねくれ者でも「うーむ」とうなるしかない圧巻の「水納島ブルー」。しつこいようだがこれがスマホ撮影の限界だ
また少し色合いが違うバージョンの「水納島ブルー」。温泉マニアとしては最強の“超巨大天然露天風呂”を前に入浴衝動的な感情が沸騰した
また少し色合いが違うバージョンの「水納島ブルー」。温泉マニアとしては最強の“超巨大天然露天風呂”を前に入浴衝動的な感情が沸騰した

沖縄で「○○ブルー」といえば、世界的にもダイビングスポットとしても有名な、本島の西側に浮かぶ「慶良間(ケラマ)諸島」の美しい海を称する「ケラマブルー」という言葉がある。

というわけで今回、慶良間諸島の「阿嘉島(あかじま)」と「慶留間島(げるまじま)」の間にかかる「阿嘉大橋」付近の海の「ケラマブルー」も船上からスマホ撮影。うまく撮れたかは分からないが、「水納島ブルー」とは少し違った色合いの、なかなかの“コバルトブルー度”だったから興味深い。

こちらは慶良間諸島の慶留間島(左)と阿嘉島(写っていないが右側にある)の間にかかる「阿嘉大橋」付近に広がる「ケラマブルー」。水納島ブルーとは少し違うのが面白い。ちなみに阿嘉島は映画「マリリンに逢いたい」(88年)の舞台
こちらは慶良間諸島の慶留間島(左)と阿嘉島(写っていないが右側にある)の間にかかる「阿嘉大橋」付近に広がる「ケラマブルー」。水納島ブルーとは少し違うのが面白い。ちなみに阿嘉島は映画「マリリンに逢いたい」(88年)の舞台

また今回、慶良間諸島「座間味島(ざまみじま)」の代表的ビーチ「古座間味(ふるざまみ)ビーチ」における「ケラマブルー」も、スマホで撮ってみた。

よく行く古座間味ビーチの海の美しさも晴れていれば衝撃的なレベルなのだが、地元の人によるとこの日は波が高く、通常期よりも水の透明度が低かったとのこと。確かに水中の視界が、いつもより良くなかった。よって、スマホ写真も本来よりも、ややくすんだブルーになっているかもしれないが、それでも美しいのはさすがである。

さらに慶良間諸島・座間味島「古座間味ビーチ」の「ケラマブルー」も。この日は波が高く透明度が低かったようだが、それでもこの“ミントブルー”
さらに慶良間諸島・座間味島「古座間味ビーチ」の「ケラマブルー」も。この日は波が高く透明度が低かったようだが、それでもこの“ミントブルー”

今回は行っていないが、沖縄の海の青さでほかに個人的に好きなのは、宮古諸島・下地島にある下地島空港周辺のエリア。「下地島ブルー」とでも言えるような、透き通ったエメラルド色の海がすぐ思い浮かぶ。

また、絶海に浮かぶ南大東島の南端、亀池港付近の海も、息をのむような神秘的青さに衝撃を覚えた。

今回「水納島ブルー」も「慶良間ブルー」も“スマホ撮影の限界”に直面し、かつ筆者の撮影技術のなさも加わり、本来の美しさを完全には表現しきれなかったと思われるが、それでも何となく雰囲気は伝わるかと思う。

同じ本部半島では、「車で行ける離島」として「瀬底島」や、最近人気の「古宇利島」があるが、天気さえ良ければ水納島ははっきり言っておすすめである。

ちなみに「水納島」は沖縄にもう1つあり、「水納島」と聞いて「宮古島と石垣島の中間付近にある宮古諸島・多良間島の北に浮かぶほうの水納島のこと?」というリアクションがすぐ出てくる人がもしいたら、ひょっとしたら離島マニアの可能性がある。

【文化社会部・Hデスク】