定食チェーン「大戸屋ごはん処」(以下「大戸屋」)との“付き合い”は長い。約30年前、高田馬場駅近くにあった店を利用したのが最初で、家庭的な味のうどんとカレーのセットを安価でおいしく食べ興奮したことを、鮮明に記憶している。

その後も各地の店舗で「しまほっけの炭火焼き定食」「チキンかあさん煮定食」などをよく食べるのだが(※サイドで「ミニ野菜の黒酢あん」をつけることも多い)、昨年11月、大戸屋とのかかわりにおいて大きな動きがあった。

同月1日から、筆者が頻用している大手出前サイト「出前館」を通じて大戸屋のメニューが注文できるようになったのである(※「出前館」と競合する「ウーバーイーツ」は筆者は今のところ利用していない)。

というわけでここ2カ月以上、出前館を通じた大戸屋の注文回数が激増し、わが出前生活に劇的なプラスの変化が訪れている。

出社するやいなや、頭の中を「いつ、どのタイミングで大戸屋の出前を注文するか」というセンシティブな思考がかけめぐる。昨日、後輩から「目つきが危険」と言われたがそういう理由だ
出社するやいなや、頭の中を「いつ、どのタイミングで大戸屋の出前を注文するか」というセンシティブな思考がかけめぐる。昨日、後輩から「目つきが危険」と言われたがそういう理由だ

ただ、この大戸屋をめぐっては最近、チェーンを展開する「大戸屋ホールディングス」(ジャスダック上場)の業績悪化が心配されている。昨年11月に発表された「19年9月中間連結決算」では、営業損益が赤字に転落。中間決算の営業赤字は上場以来初となった。

最近、原材料価格の高騰などもありメニュー改変や値上げが行われたり、同4月には安くて人気だった「大戸屋ランチ」が廃止されるなどして客数減少があったとみられている(※大戸屋同ランチはその後復活)。ちなみに同2月には、一部アルバイト従業員が不適切な動画を投稿する騒動がおき、これも何らかのダメージがあった可能性がある。

大戸屋ホールディングスをめぐってはこのほか、昨年10月、創業家から株式を取得した外食チェーン大手「コロワイド」が筆頭株主になるという大きな動きも起きている。

大戸屋は1958年(昭33)創業。何はともあれ、約30年の“付き合い”の筆者としては、日本の家庭料理に通じる和食系のヘルシーなメニューを提供し、かつ気軽に入れるこの種の定食系飲食店には元気であってもらいたいと、個人的に願っている。

というわけで今後も店舗利用とともに、責任デスク日には出前館で黙々と大戸屋の出前を注目し続けていくことになるのであろうが、「しまほっけの炭火焼き弁当」はもちろん、かなりいけるのが「野菜ポークチャップ弁当」「豚と野菜の豆鼓弁当」だ。

そして意外なイチオシとしておすすめなのが、「さつまいもの豚汁」。使っているみそがやさしいコクがある味わいであることに加え、さつまいもの甘みがいい感じで汁に溶け込み、まろやかさがアップされるのだ。端的に言って「うまい」。

今後望むのは、大戸屋のライバル的チェーン「やよい軒」の出前館参戦か。冬といえば鍋の季節。鍋といえば昨年11月から「すき焼き定食」「しょうが鍋定食」「チゲ定食」(東京23区限定で「辛旨チゲ定食」もあり)の期間限定“冬季3大鍋定食”で攻勢をかけているやよい軒がすぐ浮かぶ。

韓国料理店がたち並ぶ新宿・大久保通りであえてやよい軒に入りチゲ定食を食べる。そこに定食チェーンフリークのロマンがある
韓国料理店がたち並ぶ新宿・大久保通りであえてやよい軒に入りチゲ定食を食べる。そこに定食チェーンフリークのロマンがある

というわけで最近、会社では大戸屋の出前、外ではやよい軒の鍋というローテーションを軸に生活している…という極めてどうでもいい話で本稿を終わりたい。

【文化社会部・Hデスク】