宝塚 ~ 朗らかに

瑠風輝 目指すは「大きく包み込むような男役」

宙組の人気スターに成長した瑠風輝(るかぜ・ひかる)が、兵庫・宝塚バウホール公演「リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド」で、バウ初主演作に臨んでいる。新人公演を卒業した8年目に次のステップへ。歩みも順調で、タイトルにひっかけて「ダイヤモンドに負けない輝き」を誓った。公演は16日まで。

宝塚バウホール初主演作に臨んでいる宙組スター瑠風輝(撮影・清水貴仁)
宝塚バウホール初主演作に臨んでいる宙組スター瑠風輝(撮影・清水貴仁)

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新人公演を卒業した8年目。バウ主演を得た。

「(新人)主演を4回もさせていただき、それを経ての今。これまで何やってきたんだと言われないためにも、すごく意味がある。無駄にしないように」

今作は、「華麗なるギャツビー」の著者で米小説家F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説をもとに描く。瑠風ふんする青年ジョンが、巨大ダイヤモンドの原石の中に建てられた豪邸に住む友人宅へ招かれ、秘密を知るストーリー。

「ジョンは、自分をしっかり持っている。いつも冗談を言って、皆に囲まれて…。私のあこがれ。こういう人になれたらって思う」

友人役は3年後輩の鷹翔千空(たかと・ちあき)で、相手役ヒロインは5年後輩の3年目、夢白あや。主演として背中を見せ、懐の広さを磨く機会を得た。

「演出の先生も、ジョンという『おっきな人間』っていうイメージを持つだけでも違うんじゃないか、とおっしゃって。新人公演は本役さんがいて、見て学べる部分もありましたから」

新人時代の転機は、17年「王妃の館」で、本役を愛月ひかるが演じた三枚目キャラの「金沢さん」。殻を破り「変わるチャンス」と取り組んだ。前作「オーシャンズ11」のリビングストン・デルで新たな楽しみも。主人公ダニー・オーシャンの仲間を演じた。

「新人公演を卒業して寂しかった(笑い)。でも、自分の役を考える時間がたくさんあった。舞台上ですごく自由だった。自分で考えて、動くのが楽しくて。毎回、同じことをしないでおこうと、思っていた」

自由と責任は表裏一体。役を作る喜び、重みも知った。今、目指すのは「湖月わたるさんのような大きく包み込むような男役」だ。

「下級生からも、上級生の方からも『背中で見せられる男役になったね』と言われるようになりたい。今でも『背中で見せようとしている』と言っていただくことはあり、そのお言葉は宝だと思います。今後もそこは意識していきたい」

体調管理への意識、作品への集中力も高まった。宙組は先輩の退団があり、劇団では大きな組替えもあった。星組トップ紅ゆずる、花組トップ明日海りおが東西で退団公演中。105周年の宝塚は過渡期にある。

「みんなが『いいライバル関係』で、一緒に頭がボコボコボコボコって出ていけるように。自分の頭もなくならないように、どんどん出していけたらと」

宝塚次世代を担う候補の1人として、自覚も芽生えた。バウ初主演作を終えた後、どう変わっていたいかを問うと「このダイヤモンドみたいになっていたい」。公演ポスターにある大きなダイヤモンドを指し、「自分の顔よりもおっきい。このインパクトを目指したい」と、将来の“輝”きを約束した。【村上久美子】

◆バウ・ロマンス「リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド」-F・スコット・フィッツジェラルド作「The Diamond as Big as the Ritz」より-(脚本・演出=木村信司) 「華麗なるギャツビー」の著者で米小説家、F・スコット・フィッツジェラルド氏による短編小説をもとに、富がもたらす事象を描く。アメリカの大学に通うジョン(瑠風輝)は、友人パーシー(鷹翔千空)の実家へ誘われ、訪問。そこは「黄金の楽園」だった。巨大なダイヤモンドの原石の中に建てられた豪華な館。そこで、パーシーの妹キスミン(夢白あや)と出会い、恋におちる。

☆瑠風輝(るかぜ・ひかる)1月26日、東京都生まれ。12年入団。16年「Shakespeare」で新人公演初主演。同年「エリザベート」でも新人主演し、大役トートに挑戦。新人主演は通算4回。同期は月組スター暁千星、雪組トップ娘役真彩希帆ら。身長174センチ。愛称「もえこ」。

夢の舞台を創り続けて100年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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