女優吉岡里帆(25)が主演のフジテレビ系連続ドラマ「健康で文化的な最低限の生活」(火曜午後9時)で新人ケースワーカー役に挑戦している。

 義経えみる(吉岡)は、安定を生活を求めて東京都東区役所に就職、公務員になった。だが、最初に配属された「生活課」で待ち受けていたのは、個性豊かな職場の仲間たちと、生活保護の壮絶な現実だった。彼女が担当する110世帯の生活保護受給者たちには、知れば知るほど奥の深い、それぞれの人生があった。原作は週刊「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の柏木ハルコ氏の同名コミック。

 主演の吉岡は、先輩ケースワーカー役の井浦新に、絶大な信頼を寄せている。「この現場で、井浦さんがどこまでも真摯(しんし)に向き合ってくれているのに救われている。現場がハードでもいたわってくれて、一つ質問すると、じっくり1時間考えて答えてくれます」と話している。

 14日放送の第5話では、ある日、生活保護を受けたいと一人の男が窓口にやって来る。男の名前は島岡光(佐野岳)。島岡は、自分がうつ病であること以外は何も話そうとせず、親族による援助が可能かを確認する“扶養照会”もかたくなに拒否。えみる(吉岡)の上司の京極大輝(田中圭)は生活保護を認めるかどうかを判断するための調査をえみるに指示する。

 島岡の元を訪ねたえみるは、何とか家族について聞き出そうとするが、島岡は途端に激しい貧乏ゆすりを始め、父親への連絡は「無理なんで」と異常な拒絶を見せる。えみるは、島岡がただ甘えているだけなのではないかと思い、いら立ちを募らせる。

 仕方なく、戸籍をもとにえみるが島岡の父親のことを調べると、驚きの事実が判明する。島岡は、島岡雷(小市慢太郎)という輝かしい経歴をもつ総合病院の院長の息子だったのだ。父親に収入があると判断した京極は、早速、扶養照会を進めるよう指示するが、島岡が何か人に言えない悩みを抱えているのではないかと考えたベテランケースワーカー半田明伸(井浦)は、慎重になるべきだと京極に進言。2人の意見は真っ向から対立する。

 えみるから扶養照会することを聞かされた島岡は、それを激しく拒否。しかし、どんなに尋ねてもその理由を明かさないため、いら立ちを隠せなくなったえみるは「決まりだから仕方ない」と、島岡の希望を突っぱねる。