脳科学者の茂木健一郎氏(57)が、女優沢尻エリカ容疑者が重要役で出演予定だった来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(1月5日スタート、日曜午後8時)について、「そのまま放送したらいい」とコメントした。

茂木氏は18日、ツイッターを更新。これまでも薬物の使用については「刑事罰を加えるよりも、いかに依存症から立ち直るのを助けるかという公衆衛生的なアプローチがふさわしい」と持論を展開してきたが、沢尻容疑者の件についても「問題の本質は、沢尻エリカさんという一個人がドラッグを使っていたというところにあるのではなく、そもそもドラッグはどこから流通してきたのか、今ドラッグはどれくらいまん延しているのか、その結果どのような弊害が生じているのかという全体像であって、沢尻さん1人を悪者にして糾弾しても仕方ない」と繰り返した。

続けて「麒麟-」が沢尻の逮捕によって代役起用などの対応に追われている状況を受け、「これは多くの人が指摘していることだけれども、本人のドラッグ使用と、その作品の扱いはこの際分離した方がいいと思う。沢尻エリカさんの『麒麟がくる』の出演場面のように、すでに多くの人の労力が費やされ、作品自体も出来上がっている場合には、ご本人がドラッグをやっていたかどうかは関係なく、そのまま放送すると、ルールで決めればいいと思う。そうすれば、関係者も世間もやきもきしなくて済む」と指摘。

「そもそも、ドラッグをやっていらした方がある作品の一部分に出ていらっしゃるからといって、その作品の全部ないしは一部を社会から『削除』するという論理の背後にどんな『理屈』があるのか、よくよく考えてみたらいい。NHKは今回『麒麟がくる』の沢尻エリカさんの出演場面をそのまま放送したらいい」とした。