米ラップ歌手リル・ウェイン(38)が、退任前のトランプ前大統領(74)から、任期最終日となった19日に恩赦が与えられていたことが明らかになった。

トランプ氏は退任前に恩赦や減刑を実施した143人のリストを発表し、この中にウェインと同じくラップ歌手のコダック・ブラック(23)も減刑者として含まれていると米メディアが伝えている。

ウェインは2019年1月に自身のプライベートジェット機内で弾薬入りの銃を違法に所持していた容疑で昨年12月に逮捕され、過去にも銃所持の罪に問われていたことから最大で懲役10年の刑が科せられる可能性があった。延期されていた裁判は3月から行われる予定だったが、これによって懲役はなくなる見通しとなった。

ウェインは昨年、大統領選に先立って10月にトランプ前大統領と面会して司法制度改革などについて話し合ったことをSNSで報告し、ツーショット写真を掲載していた。

一方、これまで薬物関連や暴行、性犯罪などさまざまな犯罪に手を染めてきたことで知られるブラックは、19年に銃器の購入に際してうその申告をした罪で3年10カ月の懲役刑を受け、現在は連邦刑務所に収監されている。今年に入って友人のラップ歌手リル・ヨッティがトランプ氏にあてて減刑を求めるツイートをして話題になっていた。

ほかにも、恩赦を与えられることが有力視され、刑務所前にリムジンを待機させているとまで伝えられていた人物がいた。ネットフリックスの人気番組「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!」に登場する、元私設動物園のオーナーで通称ジョー・エキゾチックの名で知られるパッセージ服役囚だが、こちらは恩赦は与えられなかったと報じられている。同服役囚は18年にトラへの虐待と殺人依頼の容疑で逮捕され、懲役22年の刑が言い渡されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)