役所広司(65)が21日、東京・スペースFS汐留で行われた主演映画「すばらしき世界」(2月11日公開)のプレミア上映会で、カップラーメンをぶちまけるシーンの3回目の撮影の際、ダメ出しを2回した西川美和監督(46)の足元にラーメンを飛ばしてしまったと語った。リポーターに扮(ふん)した共演の長澤まさみ(33)から「西川監督に今だから言いたいこと、印象に残っている西川監督との撮影エピソードは?」と聞かれて明かした。

役所は「1カット、長いシーンで、カップラーメンを食べるシーンがありまして。熱々のお湯を沸かすところから始まって、それをぶちまける」という場面を、仲野太賀(27)と演じたと語り出した。その上で「最初、本番にいった時、もう部屋中、ラーメンのめんだらけになるんです」と本番後の現場の“惨状”を説明した。

ただ、めんが飛び散った本番に対し、西川監督は1発OKを出さなかったという。役所は「監督が『もう1回』と言うんですよ。これ、元に修復するのに結構、時間がかかるなぁと思って。スタッフが掃除して、また始まりました。それで、またやって(ラーメンをぶちまけて)散らかったら、監督は『もう1回、お願いします』って言うんです」と、2度のダメ出しを笑いながら振り返った。

そして、3回目のカップラーメンぶちまけシーンが行われたという。役所は「3回目でラーメンをぶちまけたところが、カメラ横の監督の方にラーメンが飛んでいったんですね」と結果的に西川監督に向かってラーメンをぶちまけたと振り返った。その上で「終わった時にカットがかかるまで時間があるんですけど『OK出さないから、この俳優、私の方にカップラーメン投げ付けたんじゃないか?』と思われたかなぁという…そんな撮影がありました」と笑った。西川監督も「この角度に投げて欲しい、というところに来まして、足にラーメンをかぶせられながらOKを出しました」と笑いながら振り返った。

役所は、長澤とともにリポーターに扮(ふん)した仲野からも「リポーターの仲野です。撮影中、大変だったことは?」と質問を受けると「俺たちはいつも聞かれる」とダメ出しした。その上で「商店街の50メートルダッシュですかね。自分の体力の衰えを見せつけられたシーンでした」と笑いながら振り返った。仲野は「薄い質問ですみません」と反省しつつも「素晴らしい走りでした」と、役所の走りを絶賛した。