ホーム 東京オリンピック2020 野球・ソフトボール ニュース RSS 侍山田哲人“3大大会コンプリート弾”で首位通過、世界体感した肉体が反応 [2021年7月31日20時41分] 通知ON 通知OFF 日本対メキシコ 4回表日本1死一、三塁、左越え3点本塁打を放つ山田(撮影・河野匠) 侍ジャパン山田哲人内野手(29=ヤクルト)が日本初の“3大大会コンプリート弾”で、チームを1次リーグA組首位通過に導いた。1点リードの4回1死一、三塁から左中間にチーム1号となる3ラン。負ければ3位転落が濃厚だった一戦で勝利を手繰り寄せた。WBC、プレミア12に続き、五輪でも主要国際大会通算6本目の本塁打を放ち、7回には坂本勇人内野手(32=巨人)も3大大会制覇を続けた。2連勝と理想の展開で連戦を回避し、8月2日の決勝トーナメント初戦でB組1位の米国と激突する。 ◇ ◇ ◇無人の左中間席に華を描いた。4回1死一、三塁。内角高めの直球に、世界大会をすべて体感した山田の肉体が反応する。打球の距離感は「ギリギリかなと思いつつ(手応えは)その通りだな」と、ひと伸びを確信した。最前列に“野球の華”と言われるホームランが跳ねた。「追加点がほしい場面だった。コンパクトにいったけど、本当にたまたま角度がついてくれた」。本塁打は19年プレミア12の決勝韓国戦の逆転決勝弾以来で、五輪も含めた3大大会で完成させた。何より負ければ3位転落が濃厚だった一戦で首位通過へ導く、プレミアムな1発だった。主要国際大会通算6本目。だが幻の7号がある。17年WBCの1次ラウンド・キューバ戦。左中間への放物線はスタンド最前列の野球少年がフェンス越しにキャッチした。ホームランに沸く超満員の観衆がリプレー検証の末に意気消沈。そして後にSNSなどで少年は無慈悲に責められた。山田は一夜明け、スマートフォンを手にし、事態を把握した。「うつろな表情で、フードをかぶったまま。青ざめていた」と知り「僕は全然気にしてない。だから野球を嫌いにならず、またグラブを持って応援に来てほしい。僕も完璧な本塁打を打てるように頑張ります」とメッセージを送った。少年が目にしたかは分からない。だがその大会では2発を放ち「完璧な本塁打」で約束を果たした。年月を経て臨む五輪は無観客。それでもファンの思いもかなえるべく、華をスタンドに届け続けている。山田自身も夢見ていたステージの活躍。「すごい、うれしいです。まだ言うても、世界一になったわけではないので気を引き締めないと。(残り)3連勝できるようにしたいけど1戦1戦、目の前の相手にしっかり向き合って戦わないといけない」。華々しい金メダルへ、着実に進んでいく。【広重竜太郎】