24日に国立競技場で行われる東京パラリンピックの開会式について大会組織委員会が、制作チームメンバーの事前公表を控える方針であることが19日、複数の大会関係者への取材で分かった。

五輪では事前に公表したがインターネット上で過去の問題が暴かれ、メンバーが辞任や解任に追い込まれた。パラリンピックでは五輪のような開幕直前の混乱を避けたい思惑がある。

組織委は五輪時の反省を踏まえパラリンピックの式典制作メンバーについて、過去に問題がなかったかスクリーニング調査を徹底しているというが関係者は「限界がある」と漏らす。調査を上回るネット上の監視の目を恐れ、事前の公表ができない事情がある。

五輪パラの式典制作チームに選ばれたとなれば、名誉あることとして大々的に広報する方が自然な流れ。それすらできないことが今大会が抱えるジレンマを象徴している。

五輪時は開幕9日前の7月14日、開会式「Unite by Emotion」、閉会式「Worlds we Share」という式典それぞれのコンセプトとともに、演出家や作曲家、ヘアメーク担当まで細かく制作チームのメンバーが発表された。

しかし、翌15日朝からインターネットやSNSは炎上。作曲担当だった小山田圭吾氏(52)が同級生の障がい者をいじめていた経験を雑誌に武勇伝のように語っていたことが発覚。組織委は「開幕が近い」との理由で続投させたが、世間の批判が拡大すると一転、辞任の形を取った。開会式を4日後に控え、同氏が作曲した式典冒頭の楽曲も差し替える対応に追われた。

開会式前日の同22日には事実上の演出トップだった元お笑いコンビ、ラーメンズの小林賢太郎氏(48)を解任した。お笑いコンビ時代に「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」をネタにしていたことがSNS上などで拡散。米人権団体の抗議を受け、菅義偉首相も「言語道断」と述べるにまで問題は発展した。

組織委はパラリンピック開閉会式のコンセプトを近日中に発表する。制作チームの公表は式典当日となる見込みだ。