名古屋グランパスFW前田直輝(25)の切れ味鋭いドリブルは一見の価値あり。サッカー分析会社「データスタジアム」によると、昨季の前田はドリブルで相手を抜き去った回数がJ1最多の78回。1対1の場面でドリブルを仕掛けて相手を翻弄(ほんろう)し、最終的にチーム最多9ゴールを挙げた。18年J1得点王のFWジョー(6点)らブラジル人アタッカーの調子が上がらなかった中、孤軍奮闘の活躍だった。

今年2月22日のベガルタ仙台との開幕戦(1-1)でも、そのドリブルがJ1屈指であることをあらためて証明した。持ち場の右サイドからゴール前に切れ込み、利き足の左足を振り抜いた。その左足が警戒されたら今度は縦に突破し、ゴール前にクロス。前半34分には右サイドを切り裂き、MF阿部のゴールをアシストした。対応したDFは完全に後手に回った。

今季は自身初の2桁ゴールが目標となる。逆の左サイドには同じくドリブラーのFW相馬勇紀が鹿島アントラーズから復帰。DFのマークも分散するはず。リーグ再開後はさらなる飛躍が期待できそうだ。

【構成=石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

19年8月、ゴールを決めて喜ぶ前田
19年8月、ゴールを決めて喜ぶ前田