アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフが行われ、鹿島アントラーズはニューカッスル(オーストラリア)に4-1で勝ち、本大会出場を決め、1次リーグE組に入った。

新加入のFW伊藤翔(30)がアジアの舞台で躍動した。前半18分、味方シュートがポストに当たって跳ね返った。「1つ前に同じようなシーンがあり、こぼれてくるんじゃないかと思っていた」。走り込んでいた勢いそのままに体ごと押し込んだ。

デビュー戦ながら随所で能力の高さを見せつけた。絶妙なポジショニングでパスを引き出したかと思えば、お手本のようなポストプレーで沸かせた。愛知・中京大中京時代にはアーセナルに練習参加し、当時のベンゲル監督に認められた逸材。「和製アンリ」と称され卒業後すぐにグルノーブル入りしたが、思うように出場機会を得られず帰国。そこから着実にステップアップし、常勝軍団へと上り詰めた。加入1カ月でチームにフィットする適応力も伊藤のたくましさか。17日の紅白戦後には「みんなが出しやすいタイミングも分かってきた」と手応えを口にしていた。

オフにDF昌子ら主力が多く移籍。まだDF内田やMF三竿、FW鈴木らけが人もいる中、新戦力の伊藤がアピールし、昌子の穴は21歳のDF町田が埋めた。結果を出した伊藤も「もっといいプレーができた。満足していない」と向上心は高い。日本勢初のアジア連覇へ、常勝軍団が第1歩を踏み出した。【杉山理紗】