サニブラウンが帰国「追い掛けられる側」2冠に意欲

さらなる金字塔を作っていく。陸上男子100メートルで9秒97の日本新記録を樹立したサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が20日、帰国した。日本選手権(27日開幕・博多の森陸上競技場)では2年ぶりとなる100、200メートルでの2冠を目指す。今回で103回目を迎える日本選手権も2度の男子短距離2冠は、過去2人だけ。史上3人目の偉業を成し遂げ、世界選手権(ドーハ)のダブル内定を決める。

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日本選手権への帰国は凱旋(がいせん)となった。7日の全米大学選手権決勝で100メートルは日本新、200メートルも日本歴代2位の20秒08を出したサニブラウンは成田空港で大勢の報道陣に囲まれた。少し照れくさそうに「お久しぶりです。1年半ぶりに帰ってまいりました」と第一声。日本選手権は優勝すれば、今季最大の目標とする世界選手権の内定を得られる。久々の日本に「食べたいものがありすぎて、どれを最初に手を出していいか分からない」と笑うが、気持ちが切れている様子はない。「やることをやれば、おのずと勝利もタイムも見えてくる」と意欲的だった。

昨年の日本選手権はけがもあって欠場だったが、2年前は2冠を達成。当時、大会前の注目は桐生、多田らに集まっていたが、今はまるで状況が違う。主役の立場。公認記録で3度目となる100メートル9秒台、日本勢初の200メートル19秒台まで期待される。「今年は自分がチャレンジャーでなく、追い掛けられる側。集中をしていかないといけない」と話した。残り約1週間は東京・北区のナショナルトレーニングセンターを拠点に調子を整えていく。

目指している2度目となる短距離2冠は、数字的にも大きな価値を含む。過去に100、200メートルを制した選手はサニブラウン含め16人いるが、2度目を成し遂げたのは豊田敏夫(77、79年)と生駒一太(47、49年)の2人だけ。世界ユース選手権大会新の2冠、世界選手権200メートル史上最年少決勝進出、100メートル日本新記録。規格外の20歳は、まだまだ歴史を塗り替え続けていく。【上田悠太】

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  • 帰国したサニブラウンは、入国カードを書きながら移動する(撮影・浅見桂子)