26年ぶり箱根の筑波大・川瀬「テープを切りたい」

10月に行われた第96回箱根駅伝(来年1月2、3日)予選会で6位に入り、26年ぶりに出場を決めた筑波大が11日、茨城・つくば市の同大キャンパスで練習を公開した。

2年時から予選に参加し、4度目の今年が最初で最後の本戦出場となる川瀬宙夢(ひろむ、医学群5年)は「予選会終わってから今までで1番いい状態。5区か10区でテープを切りたい。上りも下りも得意で対応できるので、どこでも任せてくれという感じ」と3週間後に迫った本番へ、順調な仕上がりをアピールした。

中学時代にやっていたサッカーでケガをしたときに治療する医師を見て「格好いい」と思い、目指すようになった。高校での陸上結果はパッとせず、やめるつもりだったが、刈谷高(愛知)3年時の総体での3000メートル障害で予選落ち。この悔しさが頭から離れず「インターハイで優勝」という新たなもう1つの目標が生まれた。「てんびんにかけたけど決めきれなかった」と両方が可能な筑波大への進学を決めた。

医学の方は着々と、医師への準備を進めていたが、陸上の方は悔しい思いの多い4年間だった。予選会前日に実習のため自分の血を採血されたり、記録会の前日には7時間のテストを受けたことも。「さすがに集中力を欠いてパフォーマンスが落ちました」と振り返る。現在も病院で朝8時から夕方まで実習と多忙な日々を送りながら、箱根を目指しトレーニングを積んでいた。それでも4年時には主力としてチームを引っ張り、予選会に挑んだが、箱根出場はかなわなかった。

うまくいかなかったチームを後輩たちが変えた。今年6月に3年生が発端となり「このままではダメだ」とチーム改革を行った。それぞれの箱根に対する考え方が違い、まとまりを欠いていた。弘山監督の助言ももらいながら、3年生主体のチームになった。川瀬自身が人に仕事を振れず、1人で抱え込んでいたものを、3年生たちは主務の上迫を中心に班に分け、全員で分担。メンバーの意識も変わり、自主的にデータや食事管理を行うようになった。川瀬も「少しでも背中を押せたら」と多忙の合間を縫って会議に参加してアドバイス。最後の年にチーム26年ぶりの本戦出場を勝ち取った。「ただ自分のことをやるだけのチームから、お互いにやらなきゃいけないことを伝え合ういいチームになった。1番長く見てきたので、過去の悔しさをすべて晴らしたい」。箱根への思い、陸上への思いを最初で最後の舞台でぶつける。【松熊洋介】

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  • 箱根駅伝の合同取材会見後、グラウンドで練習を行う川瀬宙夢(筑波大医学群5年)(撮影・松熊洋介)