バスケットボール男子W杯に出場中の日本(世界ランキング36位)が、フィンランド(同24位)に大逆転勝ちを決めた。06年世界選手権(現W杯)1次リーグのパナマ戦以来、17年ぶりの勝利。欧州勢からは初勝利となった。前半終了時は10点ビハインド。一転、第3クオーターは27-27、そして最終クオーターは35-15と一気に吹き返してひっくり返した。29日にリーグ最終戦で、東京オリンピック(五輪)銅メダルのオーストラリア(同3位)と対戦する。
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気迫がこもったプレーでチームを最後まで奮い立たせた。大黒柱の渡辺雄太(28=サンズ)は、最終第4クオーター(Q)、鬼気迫る表情で守備に体を張り続けた。10点差を追ったチームは、このQだけで35得点を量産しての大逆転勝利。世界選手権、W杯などの国際大会で12戦目にして欧州勢からの初勝利とし、「観客もこれだけ盛り上がってくれたんで、自分たちの力を出せることができました」と感謝の心を示した。
開幕前の強化試合で右足を捻挫した。初戦のドイツ戦がぶっつけ本番で、この日も痛みに顔をしかめる姿があった。万全でないのは明らかで、得点は4得点にとどまったが、その奮闘する姿は何よりのチームメートのカンフル剤だった。
「もう明日から動けなくなってもいいっていう気持ちで動いてた。ほんと、多分明日もしかしたら本当に動けないかもしれないですけど、もういいです」。並々ならぬ覚悟があった。
19年W杯中国大会。順位決定戦でニュージーランドに大差で屈した後、渡辺は険しい表情で言った。
「本当に最悪な試合。日本代表として恥だと思う」。
日の丸を背負う誇り、そして責任から厳しい言葉が口を突いた。16歳で初めて代表候補に選ばれ、その年のジョーンズ杯(台湾)で代表デビュー。米大学に進学し、ドラフト外からNBAへの道を切り開いた。
本場でもまれながら、12年以上にわたり日本代表をけん引してきた自負がある。「勝てない選手がずっといても仕方ない。パリに連れていけなければ、代表選手としている資格はない」
前回19年W杯は5戦全敗で32チーム中31位。東京五輪では3連敗で11位に沈んだ。世界の壁の高さと分厚さを知るからこそ、覚悟を決めてこの大会に臨んでいた。
「今回もまた連敗するようなことがあれば、自分は代表のユニホームを脱ぐつもり。今回は懸けている」。
その舞台で、結果を残した。この1勝は日本バスケ界の未来を変える。
「また、明日休んで、明後日また出てきます」。
まだまだ、満足はしない。覚悟の続きをコートで体現する。

