平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銅メダルのロコ・ソラーレが前回優勝の中部電力を延長の末7-6で下し、4年ぶり2度目の優勝を飾った。

ロコ・ソラーレは3月の世界選手権(カナダ)の出場権を獲得した。世界選手権で22年北京五輪出場権を得た場合、来年の日本選手権で連覇を果たせば五輪代表に決まる。男子はコンサドーレが6-4でTM軽井沢に勝って2連覇を飾った。男女優勝チームとMVPには大会特別協賛の全農から副賞が贈呈された。

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スキップ藤沢の右腕から放たれたショットがハウス中央の中部電力のストーンをはじき出し、NO・1となった瞬間、ロコ・ソラーレが4年ぶり2度目の日本一の座に就いた。目を潤ませた藤沢に駆け寄る仲間たち。瞬く間に歓喜の円陣ができあがり、何度も抱き合った。

「緊張で昨夜は眠れず、(周囲に)『30分でも仮眠した方がいい』と言われていました」。そう明かした藤沢は第8エンド(E)でのミスはあったが、第9Eの緊張感あふれるシーンで、相手のストーンを2つはじき出し、中央付近につけるスーパーショットを披露してみせた。

涙の理由を問われ「すごく緊張していたけど、カーリングは1人ではなくチームでやるスポーツなので、みんなに感謝してます」と話した。昨年決勝で敗れた中部電力にリベンジ。勝利者インタビューが終わる頃には、ロコ・ソラーレ自慢の笑顔に満たされていた。

昨年8月から国内外で試合経験を積み、「チームの安定性が増した。レベルが上がった」(藤沢)という。今大会も苦しい戦いの連続だったが、セカンドの鈴木が「ベストのパフォーマンスを出せば勝てない相手はいない」と言ったように、揺るがぬ自信があった。

3月には世界選手権が控える。日本として五輪出場枠を獲得し、来年の日本選手権で連覇を果たせば北京五輪出場が決まる。藤沢は「(世界選手権では)今までやってきたことを出して戦っていきたい」と言い切った。ロコ・ソラーレが2大会連続五輪出場へ、大きな1歩を踏み出した。【菅家大輔】

◆ロコ・ソラーレ 10年に本橋麻里が中心となり創設。チーム名は地元の略語として使われる「常呂っ子」から取った「ロコ」にイタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」を組み合わせて名付けた。18年平昌五輪銅メダル、16年世界選手権銀メダル、W杯優勝1回。今季のメンバーはリード吉田夕梨花、セカンド鈴木夕湖、サード吉田知那美、スキップ藤沢五月。拠点は北海道北見市。

◆カーリング五輪代表への道 日本協会は今大会と21年大会で連覇したチームを北京五輪代表にすると定めている。21年大会で別のチームが優勝した場合は、それぞれの日本選手権優勝2チームによる日本代表決定戦を行う。また、出場2チームよりもワールドカーリングツアー・ランキング(21年1月1日時点)が上位のチームがある場合、そのチームを含めた3チームで日本代表決定戦を実施する。

五輪出場国は男女ともに10カ国。20年と21年の世界選手権の順位をポイントに換算し、開催国の中国を除く上位7カ国が五輪出場権を獲得。残り2カ国は世界最終予選で決定する。