小松原、コレト組 観客への「尊さ」再確認/連載

<フィギュアと私(2)>

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦NHK杯が、27日から大阪・東和薬品ラクタブドームで始まる。

新型コロナウイルスの影響でGP第2戦スケートカナダ、第4戦フランス杯が中止。日本勢初登場となる今大会を前に男女シングル、アイスダンスの4選手が日刊スポーツのフィギュアスケート総合情報ページ「Figure365」の取材に応じた。テーマは「フィギュアと私」。コロナ禍で感じた競技への思いを聞く連載の第2回は、アイスダンスの第一人者、全日本選手権2連覇中の小松原美里(28)、ティム・コレト(29=ともに倉敷FSC)組。

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「お客さんの前で滑ることは自分の中で重要なんだな…」。小松原は3月、世界選手権のために滞在していたカナダで痛感していた。コロナの影響で中止が決まる前、想定外の落胆が襲ったのは無観客の可能性を聞いた時だった。「結構自分の中ではへこんじゃって」。観客の前で滑ることが、最大の価値だと再認識させられた。「自分1人とかジャッジで大会ができていたわけではない」。その意識が一層高まった。

NHK杯は、また新たな姿、喜びを観客に見せる機会でもある。17年に結婚したコレトが今月19日に日本国籍を取得した。これで22年北京オリンピック(五輪)の道が開けた。日本人カップルとして臨む初の大会に、コレトは「観客の方と一緒に、パワーアップするために演技をしたい」と期している。

コンビを組んだのは16年。互いにシングル選手から始まり、他国の代表の経験も経て、悲願の五輪へ道を作ってきた。コレトの日本名は「小松原尊(たける)」。コロナを経て感じた観客への「尊さ」も互いの胸に、夫婦で滑りきる。【阿部健吾】