北海道出身のオリンピアンを紹介する「北のオリンピアン」。今回はオリンピック(五輪)2大会に出場した成田郁久美です。

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旧姓(大懸)時代、20歳で臨んだ96年アトランタ五輪。チーム最年少は、レフトとして1次リーグ全5試合に出場したが、1勝4敗で決勝トーナメント進出を逃した。五輪デビューはほろ苦かった。全日本のエースとして、リベンジを喫した00年シドニー五輪は日本として出場がかなわず。両足首のケガが回復しなかったこともあり、01年に25歳で現役引退を決意した。

1度はコートを離れたが、再び五輪舞台に舞い戻る。引退後は地元北海道で過ごし、03年に結婚。バレーボール教室などで指導に携わっていたが、情熱が再燃。同年に現役復帰を果たし、日本代表にもカムバック。リベロとして04年アテネ五輪出場権獲得に貢献し、本番ではベスト8だった。

11年に引退。2度の五輪を経験した名選手は、昨年12月、Vリーグ入りを目指す女子の新チーム「アルテミス北海道」の監督に就任した。「自分の経験を伝え、子どもたちの憧れになるようなチームづくりのお手伝いができれば」と新たな道を歩み始めている。