ラグビーの神戸製鋼は17日、今季最終戦となるトップリーグ杯5位決定戦の東芝戦(19日、名古屋・パロマ瑞穂ラグビー場)に向け神戸市内で練習を行った。

ベテランの正面健司(35)は先発WTBで今季初出場。「楽しみです。WTBなので10トライぐらい取れたら」と笑わせながら「自分らしくパスもできる、ランもできるというところを見せたい」と意気込んだ。

この日は阪神・淡路大震災から24年の節目で、練習前には仲間へ当時の様子を伝える役目を託された。大阪・守口市生まれで「震度は3ぐらいだった」と振り返るが「朝起きて、テレビを見て、神戸が燃えている様子が映し出されていた」。当時を知らない選手が増えているからこそ、小学生ながらに感じた当時の様子を説明。就任1年目のディロン・ヘッドコーチも「今日の朝に映像を見て、感情的になった。正面がチームに話もしてくれて、会社の歴史、関西の歴史をあらためて学んだ」と口にする。

正面自身は日本選手権を制した今季、対戦相手を想定したプレーで、試合メンバーと実戦形式の練習を行うことが多かった。目標の日本一に手が届いたが、出場機会はなく「複雑でした」と正直な心境を明かす。東芝戦に懸ける思いは人一倍。全てを出し切る準備は整っている。