男女混合エアライフル伏射10メートル(運動機能障害SH2)で東京パラリンピック代表に内定している水田光夏(みか、23=白寿生科学研究所)が大会2連覇を飾った。

水田は1時間に60発を撃つ競技で、参加5選手中最高の633・2点(654・0満点)をマーク。新型コロナウイルスの影響で今年度初、約9カ月ぶりの実戦でも実力を発揮したが、試合後の表情はちょっぴりさえなかった。

「去年より点が低かったので…。最後の方で点がでなかったですね」。初優勝した昨年にマークした633・3点をわずかに下回った。終盤、ライフルの揺れに気づきながら修正できなかった悔しさがコメントににじみ出た。

13歳の時、四肢の筋萎縮と筋力低下、感覚障がいが進行するシャルコー・マリー・トゥース病を発症した。以来電動車いすを使うが、17歳で射撃と出会い、銃を所持できる18歳から競技を始めた。昨年10月、キャリア3年で挑んだ世界選手権(シドニー)で東京パラリンピック出場枠を獲得し、現在も男女を通じて日本ただ1人の内定選手だ。

今春には桜美林大を卒業し、社会人生活がスタートした。入社直後にコロナ禍で緊急事態宣言が出るなど戸惑いも大きかったが、今では週2日の勤務と毎日のトレーニングを両立するサイクルもでき上がっている。

「60分間、同じように構えて同じように撃つことができていなかった」と水田は反省の言葉を重ねた。競技に使う車いすやテーブルを新調するなど、来年へ向けた準備も進む。射座に臨む心構えは「常に自己ベスト」。最高の自分を目指した挑戦が続く。