パラ競泳のレジェンド、成田真由美(50=横浜サクラ)が24日、東京パラリンピック代表に選出された。

1996年アトランタ大会で初出場した成田は、08年北京大会までに金15個を含む20個のメダルを獲得。一度引退したが15年に現役復帰し、東京大会が通算6度目の出場になる。

23日までの選考会では派遣基準を切れず、内定は出なかった。挑戦6大会目で初めて選考委員会に身を委ねることになったが「力は尽くしたので、あとは待つだけです」と淡々。ベテランらしく悠然と構えていたが、発表された代表候補者の選考順位13人中7番目で余裕の代表入りだった。

パラ競泳、障がい者スポーツを長く引っ張り、50歳になった。「去年なら49歳で大会を迎えて大会中に50だったのに、延期で50歳で大会を迎えることになった」と笑う。「この年でもやっていることで、同級生たちには励みになると言われる」と話し「中年の星とも言われた」。それでも、レースになれば「年齢は感じない」と言い切った。

組織委員会理事として、パラ競技の裏方として東京大会に関わる中で「自分の泳ぎで盛り上げたい」と思い競技に復帰した。ともに苦労した選手の好記録に涙し、先に引退していく後輩に励まされる。それを、うれしそうに話す。最後のパラリンピックとして臨む東京大会。「泣いて、笑顔で終わりたいですね」。成田は地元で迎える6回目の大舞台に思いをはせた。