リオ五輪ボクシング・バンタム級代表森坂嵐(19)が27日、大会前のスパーを打ち上げた。

 横浜市内の大橋ジムに出稽古し、前東洋太平洋スーパーフライ級王者井上拓真を相手に3回をこなした。井上は9月に世界前哨戦を控えているだけに、積極的に攻撃し、急成長ぶりを示した。これに対して森坂はガードを固めて防御し、得意の中間距離や接近戦で反撃。力の入った最後の実戦練習となった。

 2日前には世界王者の兄尚弥ともスパーした。今年は3月、6月と2度の五輪予選前にも井上兄弟とスパーして代表入りにつながった。入学前の初スパーは圧倒されたが「今はボコボコにされなくなった。国際試合より強く速い相手は最高の練習になる」と話す。東農大の山本監督も「2人の前に出てくるプレッシャーを受け止めることでいい練習になる。あとは体調管理して、8月6日の組み合わせがどうなるか。メダルを取らせたい」と話した。

 森坂は高校卒業時にプロも考えたという。ロンドン五輪で2人がメダル獲得に、20年東京五輪も決まったことで東農大に進学した。東京で金を目標にしているが「今回経験できることは大きい。でも、出るからにはメダルをとりたい」。8月1日に決戦の地へ飛び立つ。