東京五輪同種目代表の田中希実(21=豊田自動織機TC)が、自身の持つ日本記録更新で最高の弾みをつけた。

4分4秒08を記録し、20年8月にマークした4分5秒27を更新。3日前の第4戦北見大会は5000メートルで3位にとどまっており「(自己)ベストが出ると思っていなかった。今季のベストを出したいと思っていた。5000(メートル)でふがいない走りになった怒りを、しっかりとぶつけられました」と驚いた様子だった。

前半からレースを作り、残り800メートルからも積極的に仕掛けた。「ラスト300(メートル)~200(メートル)あたりで、コーチがげきを飛ばしてくださったので『あっ、いけそうなんだ』と思いました」。第3戦網走大会(10日)の3000メートルに続く日本新記録だったが、この日のスタート前はスタミナ面で不安があったといい「その中でタイムが出たので、それを自信にリンクさせたい」と力を込めた。

1500メートルは日本勢五輪初出場となり、5000メートルとの2種目で世界に挑む。

「五輪の参加標準記録(4分4秒20)は期間内には間に合わなかったけれど、出場前に切って(五輪に)行けるのが本当にうれしい。それを五輪の1500(メートル)と5000(メートル)にぶつけていきたいです」

心身共に充実した状態で、東京に乗り込む。

 

◆日本記録 同大会で、男子1500メートルで河村一輝(トーエネック)が3分35秒42の日本新。800メートルで源裕貴(環太平洋大)が1分45秒75で日本タイ記録を樹立した。