池田向希(旭化成)が1時間21分14秒で2着となり銀メダルを獲得した。2019年世界選手権優勝の山西利和(愛知製鋼)も1時間21分28秒で銅メダルを獲得。2人はこの種目では日本初のメダリストになった。高橋英輝(富士通)は1時間27分29秒で32位。スタノ(イタリア)が1時間21分5秒で初優勝した。

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池田向希の話 メダルを一つの目標にしてずっとやってきたので達成できてうれしい。(序盤に中国選手が飛び出したが)まだ序盤で慌てるところではないなと、落ち着いて第2集団で様子をうかがっていました。差が縮まっていくのが分かったので、思った通りだった。あとは落ち着いてラスト5キロに備えようと。余裕を持たせることを考えて歩きました。(ラスト3キロのスピードアップに対応できたのは)山西さんが強くてずっと負け続けてきたけど、スパートに対する対策は取り組んできたので、大舞台で対応できました。

(東洋大にはマネジャー兼務で入学したが)大学入学当初はここまで成長できるとはまったく思っていなかった。コーチと監督に出会って毎日ご指導していただいて、卒業して所属が変わってもご指導していただいて、その感謝の思いが最後の力に変わり、ラストで粘ることができたかなと思っています。

 

山西利和の話 目標としていた金メダルが取れなかったので、これまでの取組や準備が足りない部分があったと思う。最後はラスト3キロをポイントとしていたけど、それまでのレース展開の中で無駄な力を使いすぎたというところとか、ちょっと前を追う、追わないのところが中途半端だったかなと思います。(17キロすぎに1度ペースを上げたが)本当はあそこで後ろを払って、最後逃げ切るというところまでイメージしていたのですが、ちょっと自分の余力がなくなりすぎていたなという感じです。延期期間も含めてここで金を取るためにやってきましたし、ずっと競歩は日本陸連のゴールドターゲットということで、金を取るためにやってきたので、私個人としてもそうですし、日本競歩チームとしても金を取れなかったのは、残念な部分ではあります。

 

◆池田向希(いけだ・こうき) 旭化成。男子20キロ競歩。1998年(平10)5月3日、浜松市生まれ。浜松積志中から浜松日体高を経て東洋大に進学し、18年世界競歩チーム選手権で優勝、19年ユニバーシアードで金メダル、同年世界選手権6位。休日にはアニメ「鬼滅の刃」を鑑賞し、原作マンガも全巻所有。好物は焼き肉。168センチ、53キロ。

◆山西利和(やまにし・としかず) 愛知製鋼。男子20キロ競歩。1996年(平8)2月15日、京都府長岡京市生まれ。堀川高1年時に競歩を始める。3年夏に世界ユース選手権1万メートルで優勝。京大工学部に現役合格。専門は制御工学で、卒業論文のテーマは「部分空間同定法を用いた信号の周波数推定」。入学後は17年ユニバーシアードで金メダル。18年ジャカルタ・アジア大会銀メダル。19年世界選手権で金メダル。164センチ、54キロ。

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