東京オリンピック(五輪)のやり投げで銀メダルを獲得したポーランドのマリア・アンドレイチク(27)が、ポーランドに暮らす生後8か月の赤ちゃんの心臓手術費用を支援するため競売にかけたメダルを落札した企業が、メダルの返還を表明した。

アンドレイチクは11日、重い心臓病を患い国外での手術が必要なミロシュケ君に米カリフォルニア州で心臓手術を受けさせるための募金活動をしている家族を支援するため、銀メダルを競売にかけることを発表していた。メダルを落札したポーランドのコンビニチェーン、ジャプカは、「私たちの国の五輪選手の美しく、非常に高貴な振る舞いに感動しました」とSNSに投稿し、メダルの返却を申し出たとCNNが伝えた。

5万1000万ドルからスタートした競売でジャプカが、12万5000ドルで銀メダルを落札したと16日にアンドレイチクが発表していた。これによってミロシュケ君は渡米して手術が受けられることになったという。「メダルの価値は常に私の心の中にあります」と地元メディアのインタビューで語っていたアンドレイチクは、「大きな喜びとともに私のメダルをジャプカ社に進呈します。私にとってメダルは努力と信念、多くの課題に直面しながら追い求めた夢の象徴です」とSNSに綴っていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)