<東京オリンピック(五輪):ソフトボール・日本2-0米国>◇27日◇決勝◇横浜スタジアム

日本が2-0で米国に勝利し、金メダルを獲得した。相手は13年前の決勝と同じ宿命のライバル。先発した39歳の上野由岐子(ビックカメラ高崎)が被安打2に封じ、勝利投手となった。

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2019年の暮れに上野をインタビューした際、結婚観について明かしてくれた。「国際結婚するのは夢なんです」。そう話すと、真意を明かしてくれた。

「どうしてもみんな“上野由岐子”というソフトボーラーとして見る人が多いと思うので、普通の一般人として見てほしい。自分を特別視しない人じゃないと、気を使うので、自分を知らない外国人がいい。目立たないように結婚したいです。家族だけで海外でこっそり(式を)挙げます。子どもは嫌いではないけど、すぐ飽きちゃうので(笑い)」

唯一無二のレジェンド。日本人では、そのフィルターがどうしてもかかる。対等に見てくれる人は少ない。「そういう目で見てくる人は嫌悪してしまいますね」と胸の内を吐露した。

テレビはあまり見ず、情報はスマホかラジオ。「何もしない時間がもったいない」と常にやりたいことを考えて行動する。「ソフトボーラー上野」はストイックだが、グラウンド外では、ごく普通の女性。取材時にスタッフがいなかった時は「すみませ~ん、私しかいないので」と自らお盆にお茶を乗せ、案内してくれたこともあった。マウンドで見せる厳しい表情とは違う親しみやすい笑顔だった。【松熊洋介】