ソフトボール決勝で米国に2-0で勝利し、金メダルを獲得した日本は、歓喜から一夜明けた28日、都内で会見した。エース上野由岐子投手(39=ビックカメラ高崎)は「すごく達成感のある金メダル」。首から最高に輝く色のメダルを下げて、実感を込めた。

東京五輪は集大成としていた。五輪で米国を2度の金メダルに導き、尊敬するミッシェル・スミス氏(54)は41歳まで現役を続けた。それを引き合いに進退について問われると、「ミッシェル・スミスさんのように、長く投げ続けていきたい思いはありますが、まだ今後については、はっきりと考えていません」。そう話すにとどめた。

08年北京五輪は2日間の計3試合「413球」を1人で投げ抜き、頂点に立った。当時は「何球でも投げられる」と思ったが、東京五輪の期間中には「39歳のリアルを感じた」とも漏らした。投げたのは7日間の日程のうち4試合で球数は389球。完投はなし。体力的な衰えは「省エネピッチング」の投球術、その日の体の状態によってフォームを変える修正力でカバーしていた。13年前とは、ひと味違った形でたどり着いた頂だった。【上田悠太】