阪神、西武で通算474本塁打を放った野球評論家の田淵幸一氏(74)が、5日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した

パーソナリティーのフリーアナウンサー生島ヒロシ(70)が、4日夜の東京オリンピック(五輪)の準決勝「日本-韓国」戦を振り返って「昨日の試合、田淵さんが『ワンサイドで勝つんじゃないの』とおっしゃっていましたが、見てたらハラハラドキドキしましたよ」と言うと、田淵氏は「僕は意外とハラハラドキドキしてないんですよ。投打のバランスが日本、いいんですよ。先発・山本に続く岩崎、伊藤、栗林がキチッと抑えてくれましたよね」と答えた。

続けて、「最初は技巧派の投手にてこずりましたが、結果的には8回からパワーピッチャーが出てきたんですよ。150キロ投げるね。これで日本のバッターは打つなと。(ソフトバンク)甲斐(拓也)の四球! これが大きかった」と絶賛。「あれで満塁になって、(ヤクルト)山田(哲人)が出てきたわけでしょ。今、調子がいいわけですよ。ここで韓国の捕手が何を考えるかというと、満塁なので四球が嫌なんですよ。フォークボールでパスボールも嫌ですよね。山田は外角の直球が初球に来るのは、読んでました」と捕手出身らしい見方を披露した。

さらに生島が「向こうはさすがに1球目から振ってくるとは、思ってなかったんですかね?」と聞くと、「思っていたんですけど、逆球がきたんですよ。捕手がアウトコースに構えていたら、インサイドよりちょっと真ん中寄りにね。絶好球がきたんですよ。パワーピッチャーにはコントロールミスはよくあることなんですよね。もう1つ言えば、(日本ハム)近藤(健介)の3-6-1のダブルプレーを投手がベースを踏み外したんですよ。あれはラッキーでした。それでつながったということでね、横綱野球でした」と解説した。

さらに、「韓国チームは日本とやる時は目の色変えてきますよね。北京五輪は2-6で負けたんですけどね」と言いながら、「伊藤、栗林、新人でしょ。コレが大事な時に投げているというのがね。あの時にね。ダルビッシュがいた、田中マーくんがいた。そういう新人の投手を使っていたら、北京五輪どうなっていたかな? 最近の新人は投げっぷりがいいですね。新人がね、大事なところで投げて抑えるというのが大きな強みですよ」とヘッド兼打撃コーチとして出場し、4位に終わった2008年の北京五輪を振り返った。

そのほか韓国は6回の攻撃で2点挙げたが、「左打者の立つ位置を見たら、(5回までより)ベースに近くなっていたんですよ。インコースを捨てて外のボールを狙い打ちしたんですよね。彼たちは逃げないんですよ。これも1つの韓国野球です。これを北京で感じましたね」と話していた。

公開競技だったロサンゼルス大会(1984年)以来の金メダルに王手をかけた侍JAPAN。決勝戦は7日午後7時にプレーボールとなる。