侍ジャパンの岩崎優投手(30)が、決勝の舞台で真価を発揮した。1点リードの8回無死一塁。米国のクリーンアップを迎える緊迫の場面で出番が回ってきた。迎えた3番カサスは3本塁打をマークしている強打者。低めに丁寧に集め、フルカウントから外のスライダーで空振り三振。勢いに乗ると、後続2人はわずか4球で打ち取った。

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強力打線を翻弄(ほんろう)したのは、岩崎の球持ちのいい独特なフォーム。国際大会でも通用した武器は、天性のものだった。

岩崎が小学校に上がる前のこと。兄がキャッチボールする姿をうらやましげに見ていると、父久志さんから「やるか?」と声を掛けられた。初めてボールを手にし、思うがままに投げる姿に、久志さんは「うん!?」と驚愕(きょうがく)した。柔らかい肘に、腕がしなって遅れて出てくる。今のフォームと全く同じ動きをしていた。

「この子は、プロ野球選手にするぞ!」。その瞬間、久志さんは確信。「肩を酷使して痛めないように」と、将来を見据えて野球を始めさせたのは中学校から。小学校の6年間続けた水泳で、柔軟さは磨きがかかった。他の3兄弟に「野球やらなくていいぞ」と言うほど、父が信じていた才能。これ以上ない、東京五輪という舞台で証明された。【磯綾乃】