東京五輪代表メンバーで臨んだ日本(世界ランキング42位)が、ハンガリー(同38位)に79-58で快勝した。NBA選手として凱旋(がいせん)した主将の渡辺雄太(26=ラプターズ)が4本の3点シュートを決めるなど両チーム最多25得点、7リバウンドと活躍。持ち味の守備も光り、攻守で勝利に貢献した。NBAウィザーズの八村塁とNBLユナイテッドの馬場雄大は今月中旬に合流する。

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NBAプレーヤーとして日本代表に戻ってきた渡辺雄が、成長した姿を示した。

最初の見せ場は開始20秒で訪れた。左45度付近から、得意とする外角シュートを決めて先制点をマーク。ドリブルで持ち込んでの両手ダンクや、片手でふわりと浮かしたシュートを決めるなど、第1クオーター(Q)だけで早くも2桁得点に乗せ、「自分の役割をし、足を動かしてプレーしようと思っていた」とうなずいた。点差を詰められた第3Qにはドリブルで持ち込んでのシュートを決め、流れを再び引き寄せた。

厳しいチェックで相手のシュートミスを誘うなど、守備での貢献も光った。右足首を痛めて途中交代した5月13日のブルズ戦以来となる試合だったが、足を痛めていた影響も、約2カ月ぶりの実戦であることも感じさせなかった。

帰国後は香川県の実家近くの体育館などで調整。実業団の強豪・熊谷組に所属した父英幸さん(62)と、シャンソン化粧品でプレーし、日本代表の主将も務めた母久美さん(59、旧姓久保田)に手伝ってもらい、シュート練習に励んだ。姉夕貴さんが撮影したその動画をSNSに投稿し、「小さい頃からいつもシューティングを手伝ってくれる親。毎年成長した姿を見せれてるかな」と、感謝の気持ちを込めた。

欧州勢との3連戦初戦に快勝し、「リバウンドから速攻という、いいチームバスケができた。いい勝利だったと思う」。五輪本番へ向けて、さらに調子を上げて行く。【奥岡幹浩】