初出場の加納虹輝(23=JAL)が、惜しくも3回戦で敗退した。

準々決勝進出をかけて挑んだ相手は、世界ランキング2位のセルゲイ・ビダ(28=ロシア連盟)。同15位の加納は第1ピリオド(P)は3-3と対等に渡り合い、第2Pで9-12と離されたが、諦めなかった。最終の第3P。ここから3連続ポイントで12-12に追いついた。しかし、欧州選手権で3度の優勝を誇るメダル候補に意地を見せつけられた。お返しとばかりに3連続失点で12-15。個人戦は幕を閉じた。

敗れはしたが「身長は高くない(173センチ)けれどダイナミックな動きで勝負する」スタイルは大舞台でも通用した。初戦の2回戦では16年リオデジャネイロ五輪の団体で銀メダルのエンリコ・ガロッツォ(イタリア)に15-12。第2ピリオド(P)を終えて8-9でリードを許していたが、最終の第3Pに6連続ポイントで逆転した。早大時代の19年にワールドカップ(W杯)で初優勝した際の決勝の相手を返り討ちにしたことは自信になる。

反省を胸に30日の団体戦へ。大学時代から日本代表のアンカーを任されている剣士が、次はチームに貢献する。【木下淳】