体操女子のシモーン・バイルス(24=米国)が27日の団体総合決勝で、精神的ストレスを理由に演技を断念したことを受けて、欧米メディアでは支持する報道が相次いでいる。

同選手は16年リオデジャネイロ五輪4冠、今大会でも期待が高かった。AP通信によると、本人が29日にツイッターでファンに向け「私が受けた愛とサポートは、これまでの成果や体操以上のものであることに気づきました」と感謝のコメント。精神面の悩みだけでなく、18年には腎臓結石との闘いにも苦しんだとも報じられる。

競泳で通算23個の金メダルを獲得したマイケル・フェルプス氏(現在NBC解説者)も過去にうつ病で苦しみ、今回のバイルスの件で心を痛め、「僕たちは人間です。誰も完璧ではありません。そうです、大丈夫でなくても大丈夫です」とコメントしたという。

また「バイルスはスポーツでは永遠にタブーと思われていた話題(メンタルヘルス)を公にしたアスリートの1人となった」とし、テニスの大坂なおみが全仏オープンを撤退した際、メンタルヘルスの問題を明かした例なども紹介された。大坂はウィンブルドンを欠場したが、東京五輪では最終聖火ランナーを務めたことも伝えている。

ロイター通信は米国の心理学者の話として、これまでメンタルヘルスが軽視され、「言いわけ」とされがちだったが、これで同じ悩みを持つアスリートも公にしていいという状況になれるとした。