初出場の素根輝(そね・あきら、21=パーク24)が決勝で12年ロンドン五輪金メダルのオルティス(キューバ)を下し、金メダルを獲得した。体格で劣りながらも先に技を仕掛け続けて延長に突入。両者に指導が入った後も攻めの姿勢を貫いて追い込み、相手の指導3となって勝利を収めた。

「もう、とにかく先に攻めようと。絶対に負けないという気持ちで臨みました。本当に頑張ってきて良かったなと思います」と感無量の表情で振り返った。

小学校低学年の頃から「五輪金メダル」を目標にしてきた。「3倍努力」の言葉を胸に刻み、圧倒的な稽古量で無尽蔵とスタミナと足技を武器に実績を残した。朝比奈沙羅(ビッグツリー)との代表争いを繰り広げ、19年8月の世界選手権と同11月のGS大阪大会を制し、日本柔道の東京五輪代表内定1号となった。

コロナ禍の影響で1年3カ月ぶりの実績となった今年3月のGSタシケント大会では、全4試合オール一本勝ち。万全の状態で初の夢舞台に臨んでいた。

「やっぱり、この大会のために練習を頑張ってきたので、それが、出せて良かったです」

名前の通りの輝いた笑顔をみせていた。