国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67=ドイツ)が8日、来日した。フランクフルト発の定期航空便で東京・羽田空港に到着。空港で抗原検査を受けた後、午後2時22分に都内ホテルに入った。ホテル前では車の窓から顔を見せる場面もあった。空港では一般の到着口には姿を見せず、VIP専用口を使用した模様。この日を0日目とする9日から3日間の待機期間に入る。

東京都に緊急事態宣言が再発令されて迎えることが確実となった東京オリンピック(五輪)の観客について、最終決定する大会組織委員会や政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)との5者協議にはオンラインで参加する。観客の取り扱いについては、かねて日本側の決定を尊重する意向を示している。

4日目の12日から11日間は五輪特例措置で待機が緩和され、専用車両による移動、事前に用務先を記した活動計画書の行程を守る条件付きで活動できるようになり、組織委とともに23日の五輪開幕へ向けた最終準備に当たる。

五輪・パラリンピック期間中の休戦を呼びかけ、国連に採択された「オリンピック休戦決議」の期間初日となる16日には広島を訪問する方向で調整。翌17日からは都内でIOCの理事会と総会を行う予定だ。

来日は昨年11月以来。当初は5月の聖火リレー(広島)や6月中の入国を模索していたが、新型コロナウイルスの再拡大や緊急事態宣言の延長などで見送っていた。【木下淳】