東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(78)が19日、開会式の音楽を手掛けていた小山田圭吾氏(52)の辞任発表を受けてオンラインで緊急会見を開いた。

組織委は、一時は謝罪を受け入れて続投方針を示したが、収まることのない批判に撤回。「誤った判断であると考えるに至り、この辞意を受け入れることとしました」と小山田氏の辞任の申し出を受け入れた。

この「誤り」について武藤事務総長は「先日(17日)に私が『引き続きお願いしたい』と言った時は、断じて許されることではないと強く思っていましたが、ご本人は真摯な謝罪と反省の言葉を述べられました。受け入れても良いのではないかと、まず考えました。そして開会式まで時間がなく、クリエイターのチームの方々も、楽曲を変えることが難しいとおっしゃっていましたので、引き続き、お願いしても許されるかなと考えた次第です。ところが、このような事態になりまして、そういう判断が甘かったと深く反省している」と判断を変えた理由を説明した。

現状、小山田氏だけが職を追われ、任命した組織委の責任はないのか問われると「(組織委が)この人選の最終責任を負っていると認識しています。(昨年の制作チーム変更という)一連の流れの中、新たな開会式運営のためのチームをつくりました。(日置貴之)エグゼクティブ・プロデューサーという立場の人がおられ、ここに(オンライン会見に同席して)いる中村英正(大会開催統括)がおられ、その上に事務総長である私がいて、さらに橋本聖子会長がおられるということ。この体制が責任を持っております」とし「皆さまに不快な思いをさせてしまったことを反省し、おわびしたいと思います」と組織委としても謝罪した。

そして「開会式は東京大会の重要なもの。オープニングの楽曲がここで白紙になったということではありますが、挽回して、きっちりとした開会式になるようにして、成功させること。これが我々の責任であると考えています」と強調。判断が遅かった批判については「お受けしますが、慎重に判断した結果、本人から辞任の申し出があり、ご判断を尊重することになった」と述べた。