来年の東京五輪では33の競技が行われます。五輪の競技数は管轄する国際競技団体(IF)ごとです。競泳と飛び込み、水球、アーティスティックスイミングは同じ水泳競技。すべて国際水泳連盟(FINA)の管轄下にあるからです。

同じように新体操もトランポリンも体操競技、ビーチバレーはバレーボール競技、3人制バスケットボールはバスケットボール競技に属します。また、自転車競技はケイリンなどトラックとロード、さらにMTBやBMXも含まれます。野球とソフトボールは、ともに世界野球ソフトボール連盟(WBSC)管轄。1つの競技として扱います。

1896年の第1回アテネ大会で行われたのは、わずか9競技。体操競技の1種目として行われた重量挙げを区別しても、10競技でした。その後、競技数は増え続け、64年東京大会では柔道とバレーボールも加わって20競技になりました。バドミントンは84年、卓球は88年から。長い五輪の歴史では最近のことです。

IOCは16年リオデジャネイロ大会から実施されているラグビー(7人制)とゴルフを含めた28競技をコア(中核)競技としています。さらに、大会ごとに開催国が追加種目(競技)を提案できるとしました。東京大会では野球ソフトボール、空手、サーフィンなど5競技が行われます。

すでに24年パリ大会の組織委員会は追加種目として東京大会で実施されるサーフィン、スケートボード、スポーツクライミングとブレークダンスを提案しています。正式決定は東京大会後ですが、この4競技が行われることは確実。残念ながら野球ソフトボールと空手は行われません。

野球ソフトボールは28年ロサンゼルス大会での復活を目指しています。米国の国民的スポーツではありますが、道のりは決して明るくはありません。パリ大会の4競技はIOCが最も重視する「若者人気」が抜群で継続実施が有力。米国で盛んなアメリカンフットボール、さらにラクロスやフライングディスク、大会ごとに候補にあがるスカッシュ…。五輪入りへのライバルは数多く存在します。

五輪の「肥大化」は大きな課題です。新しい競技を次々と加えたことで、参加人数は増える一方。東京大会組織委員会の森喜朗会長は「いつか五輪はパンクする。新しい競技を入れるなら、外す競技もないといけない」。IOC委員の渡辺守成氏も「毎回同じ競技をやることはない」と話します。今まで知らなかったスポーツを見ることができる。これも、五輪の楽しみの1つかもしれません。【荻島弘一】