日本オリンピック委員会(JOC)が20日、日本代表選手団の会見を都内のメインプレスセンター(MPC)で開き、福井烈団長や尾県貢総監督が登壇した。

尾県総監督は、大会延期前に掲げていた金メダル30個の目標を求めない方針をあらためて表明。「取り巻く状況が大きく変わっている。ベストを尽くす点は大会延期前と変わらず、目標は変更することなく維持している。しかしながら、環境や前提というものが大きく異なる中、金メダル30個が最終的な目標ではなく、ここまでの努力そのものが評価されるべき。自分の力を出し切ってほしい」と呼びかけた。

海外メディアから「一部報道で日本の約8割が大会の中止を求めている中で、どう戦うか」と質問されると、福井団長が「さまざまな意見があることは承知しておりますが、アスリートが集中できる環境をつくっていくことが選手団の仕事」とし「スポーツの力で元気になっていただく。これが今大会の1つの目標」とした。

尾県総監督も「ようやく努力の成果をここで出すことができます。どんな時でも目標を失わないでやってこられることは、多くの人たちに理解していただけるんじゃないか。スポーツの価値。ぜい肉をそぎ落としたスポーツの価値を伝えていただきたい。大きな前進になる」と言葉を重ねた。【木下淳】