東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催に合わせて行われている「文化プログラム」が、盛り上がりを見せている。コロナ禍で感染症対策が敷かれた運営をしながら、関係者は大会を機に日本文化を発信しようと奮闘している。

文化プログラムは開催国に実施の義務があると位置づけられ、オリンピック憲章でも「少なくとも選手村の開村から閉村までの期間、文化イベントのプログラムを催すものとする」(第5章第39条)と明記されている。2012年ロンドン五輪では大会準備段階から終了時までに17万件のイベントが行われ、4340万人が参加する過去最大規模となった。

日本でも16年秋から全国的に文化プログラムを推進してきた。東京の名所を紹介したり、文化芸術活動を広めようと演劇や展覧会を開くなどしてきた。海外観光客誘致に一役買ってきた。新型コロナウイルスで見直しを迫られたが、工夫を凝らしてイベント開催をする所もある。

NPO法人おりがみでは東京・上野でかつて行われていた夏祭りをオンラインで28、29日に開催する(https://bon-fes-tokyo2021.studio.site/)。

開催都市の東京都が主導する文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の企画の1つで、盆踊りや浴衣など夏の風物詩を世界に向けて発信する狙いだ。

コロナ禍で直接交流する機会はなくても、インターネットを活用することで世界に向けて日本の良さをPRする。関係者の知恵と工夫を凝らした試みが、いつかコロナが落ち着いたときにさらなる交流をもたらす可能性を秘めている。