18年平昌パラリンピックのアルペンスキーで5個(金1、銀2、銅2)のメダルを獲得した村岡桃佳(24=トヨタ自動車)は、女子100メートル(車いすT54)決勝で16秒71の6位となり、夏のメダル獲得はならなかった。

好スタートをきって中盤までトップを走ったが、後半は「無我夢中になってしまった」と伸びず。「苦しかったり、大変なこともあったり、悩んだりしたこともあったが、小さい頃に抱いた陸上競技でのパラリンピックの夢を達成出来たので楽しかったし、後悔はまったくない。走り終わってすがすがしい気持ちです」と涙を流した。

内定している来年の冬季北京大会に向けては「自分の中で日常となっていた陸上競技がいったん? 完全にシフトするので寂しさを感じつつ、これまでの日常がきっと帰ってくると思ったら、ちょっと楽しみ。でも、あとちょっとは東京パラリンピックの余韻に浸りたいですね」と複雑な心境。陸上での収穫には「想像を絶するつらい練習も今なら出来る気がする」と、過酷な陸上トレーニングの経験を生かしてスキー競技連覇に挑む覚悟も決まった。

夏と冬のパラリンピック二刀流に関しては「これで陸上から完全に離れるのも寂しいと思いつつ、2年半を振り返って決して楽ではなかったというのがあるので、とりあえず北京が終わってからの自分の気持ちに従いたいと思います」。パリ大会への陸上競技再挑戦も選択肢に残した。【鎌田直秀】