パーク女子で五輪初代女王に輝いた四十住さくら(19=ベンヌ)は、1日最大10時間の練習で技を磨いた。「負けたら負けたで、いいかなと思っています」。今春、そう口にし「これ以上滑れないぐらい滑っているから、もう後悔ないんですよ」と根拠を明かした。

18年に世界女王となってからも、和歌山から神戸の練習場に通った。だが、新型コロナウイルスの影響で昨春にパークが閉鎖。練習場所の確保に悩んだ時、専用パーク構想が持ち上がった。地元岩出市で1915年(大4)に創業した酒造会社「吉村秀雄商店」が、精米機を設置していた倉庫を無償提供。秋に自宅から徒歩5分の専用練習場「サクラパーク」が完成した。

昨春に習得した大技「540」だけでなく、引き出しの多さが武器。他府県での練習時は待ち時間も発生したが「1本1本カメラで撮って、自分で確認して滑れる。1人でも、家族だけでも無理。みんなの協力があって、ここまで来られた」と感謝は尽きない。「スケボーはヤンキーとか、悪いイメージが多い。真剣に世界を目指す姿や、楽しさを見せたいです」。その誓いを果たした。【松本航】