なでしこの骨は斬らせない。サッカー女子日本(FIFAランク10位)が30日、決勝トーナメントでスウェーデン(同5位)と戦う。

チームは29日、千葉県内で前日練習。報道陣には冒頭15分の公開となったが、約1時間調整した。高倉麻子監督(53)は「肉を切られることはあるだろうけど、骨は砕かれないように」と表現。負ければ終わりの決戦で、日本の強さを示す。

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肉を切らせて、骨を断つ。負ければ、終わりの決勝トーナメントがいよいよ始まる。今日30日、サッカー女子は、格上のスウェーデンとの準々決勝に臨む。約1時間の調整を終えた高倉監督は「肉を切られることはあるだろうけど、骨は砕かれないように」。独特の言い回しで、表現してみせた。

やるか、やられるか。FIFAランクは日本の10位に対し、相手は同5位。スウェーデンは同1位で44戦無敗だった米国を3-0で完封するなど、1次リーグを全勝で勝ち上がってきた。高さもあれば、スピードもある。高倉監督は「奇策は何かなとか考えましたけど」と笑った。ただ、すぐにキリッとした表情に戻った。「元に戻って、自分たちの良さを出すことが一番。やれることをやるだけ」と言い切った。

勝つか、負けるかの戦。なでしこの顔でもあるFW岩渕の活躍なくして、次への道のりは険しい。岩渕は囲み取材に登壇する予定だったが、チーム判断で取りやめとなった。岩渕は1次リーグの第2戦・カナダでベンチースタート。万全ではない中、最終戦のチリ戦後には、涙を流した。高倉監督は「ちょっとナーバスになっている」とフォローした。泣いても笑っても、勝つしかない。相手の骨を断ち、笑顔で埼玉のピッチを後にする。【栗田尚樹】