日本のオーバーエージ(OA)で招集されたDF吉田麻也主将(32=サンプドリア)がスペインとの準決勝に先発し、五輪通算12試合出場となった。23歳以下に制限された92年バルセロナ五輪以降の最多出場記録に並んだ。19歳で出場した08年北京五輪で1試合、OA枠だった12年ロンドン五輪で全6試合に出場。今大会はここまで全5試合に先発した。

53年ぶりのメダルをかけた強豪との大一番。32歳のベテランは前半は相手シュートを2本ブロックするなど日本の壁となった。後半11分にはペナルティーエリア内でMFメリノを倒し、PKと警告の判定でヒヤリとしたが、VARの判定で取り消しに。吉田が足を出していなければ、失点していたかもしれないピンチを救った。

準々決勝のニュージーランド戦まですべてフル出場。PK戦の激闘を終えた後は「『吉田、疲れてるんじゃないか』と思いましたよね? なめるんじゃないよと思いました」と、指示を出し続けてかすれた声色で冗談も口にした。32歳で中2日での連戦は消耗は激しいはずだが、それもジョークで包み隠す。

五輪は今大会が「おそらく最後だと思う」と語る。過去、12試合に出場した選手はブラジル代表FWネイマールらそうそうたる名前が並ぶ。その全員が、メダルを獲得している。ロンドン五輪は3位決定戦で韓国に敗れたが、三度目の正直で勝ち上がってきた。「キャリアの中で最高の大会だったと、終わった後にみんなが感じられるような期間にしたい」と、最後の1試合に残るすべての力を振り絞る。【岡崎悠利】