東京五輪で新種目に採用されたサーフィンで、男子の五十嵐カノア(23)が銀メダルを獲得した。

決勝で19年世界王者イタロ・フェレイラ(ブラジル)に敗れた五十嵐は「悔しい。ファイナルまで来たので金メダルを取りたかった」。銀メダルを手にしても、笑顔はなかった。

勝敗を大きく左右する波について「チャンスがなかった」と振り返り、「このスポーツは、準備ができていても波がなければ点数にならない。もう少し欲しかった」。率直な胸の内を明かした。

日本人の両親のもと米カリフォルニア州で生まれたの23歳。「小さいころからサポートしてくれ、一生ありがたいと思って感謝していきたい」と話した。

 

◆五十嵐カノア(いがらし・かのあ) 1997年(平9)10月1日、日本人の両親のもと米カリフォルニア州生まれ。3歳でサーフィンを始め、16年からCT参戦。19年5月の第3戦で日本人初優勝を飾る。カノアはハワイ語で「自由」の意味。弟キアヌもサーフィン選手。180センチ、78キロ。

 

◆世界のサーフィンの仕組み 五輪を統括する国際サーフィン連盟(ISF)とは別に、世界ツアーに出るトッププロを抱えるワールド・サーフ・リーグ(WSL)がある。選手が目指すのはWSLのトップカテゴリーであるチャンピオンシップツアー(CT)。その下のクオリファイシリーズ(QS)で上位になり、CTに昇格するシステムだった。今年からはCTとQSの間にチャレンジャーズシリーズ(CS)を新説。ピラミッドが3段階になった。五十嵐は16年からCTに参戦。都筑は今年CT選手になった。CSには、村上舜がランクされている。