女子日本が台湾を3-0で下し、3大会連続で準決勝進出を決めた。石川佳純(28=全農)平野美宇(21=日本生命)のダブルスで先制。続くエース対決も伊藤美誠(20=スターツ)が圧倒した。12年ロンドン五輪の銀、16年リオデジャネイロ五輪の銅に続く3大会連続のメダルに王手をかけた。男子団体は1回戦でオーストラリアを3-0で退け、準々決勝に駒を進めた。

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主将石川が率い、ワンチームになった3人娘がメダルへ王手をかけた。石川、平野のダブルス。3-0でエース伊藤へつなぐ。世界ランキング2位の伊藤は同8位の鄭怡静に9連続得点などで3-0と圧勝。2試合連続のストレート勝ちを収めた。

石川は主将として気持ちを整理し、団体戦に臨んだ。自国開催で初の個人メダルを目指したシングルスで準々決勝敗退。「悔しい思いを何とか切り替えよう」。リオ五輪の経験が生きた。

5年前のシングルス初戦(3回戦)。キム・ソンイ(北朝鮮)にまさかの敗退。「本当につらかった」。石川のホテル前には世界的観光地のコパカバーナビーチが広がっていた。ビーチバレー会場があり五輪シンボルのオブジェ前では観光客が記念撮影。ボサノバが流れるパラソルの下、キンキンに冷えたビールを片手にお祭りムードを楽しむ五輪ファンが集っていた。

そんな楽園の海に「飛び込んでやろうかと思った。マジで消えたい…。こんなことを思ったのは人生で初めてだった」。2日間、練習を離れた。気晴らしに日本のスポーツメーカーが用意したラウンジに足を運び、ラケットの代わりにマイクを握った。

大好きなカラオケで歌ったのは、いきものがかりの「じょいふる」と倖田来未の「キューティーハニー」。「少し前向きになれた。これで団体戦も負けたら4年間、この気持ちでいなくちゃいけない。それは嫌だった」。その末の団体銅メダルだった。

東京で悲願の金メダルへ-。「チームワークはとても良い。(準決勝で負けた)リオのことは考えていない。東京の3人で1戦ずつ戦うのみ」。主将が気持ちをぶらすわけにはいかない。8学年下の後輩2人が、石川の背中を見ている。【三須一紀】