錦織圭(31)はトップ10を撃破し、金星スタートを切った。

 

五輪が、錦織をよみがえらせた。世界7位のルブレフ(ROC)を撃破する金星で、地元五輪の開幕を堂々と飾った。課題とされたサーブを振り抜き、フォアは球が芯を食った。「けがをしてから、これだけのレベルでプレーができたのは久しぶりだった」と快勝を振り返った。

日本テニス界に96年ぶりのメダルをもたらした16年リオデジャネイロ大会で、五輪に目覚めた。今回も「ランクを上げたい中、ポイントがつかないという葛藤があった」。しかし「ほかの選手の活躍に刺激を受ける。いいエネルギーをもらう。それが、オリンピックのいいところ」と復活ののろしを上げた。

大会前は実戦形式の練習で、ジョコビッチに5ゲームをやって1ゲームも奪えなかった。コース重視から、振り切る速度重視のサーブに変え、この日もサーブで押し、主導権を奪った。

トップ10を破ったのは18年11月のツアー最終戦、総当たり戦で当時3位のフェデラー(スイス)に勝って以来、2年8カ月ぶりだ。「これだけのプレーができたのが本当にうれしい」。五輪をきっかけに、錦織が再び世界に羽ばたく。